在韓軍人軍属裁判を支援する会ニュースレター

「未来への架け橋」 NO.43 (2007.3.31発行)




東京地裁にノー!ハプサの
声が響き渡る
(2007年2月26日)

 

   

日韓で「ノー!ハプサ(合祀)」の声を広げよう!

 3月28日国立国会図書館は、靖国神社に関する非公開資料などを「新編靖国神社問題資料集」にまとめ国会に提出。「資料集」はA4判、約1200ページ。毎日新聞は、「旧厚生省の担当部局は旧軍出身者が主導し、合祀に積極的だったとされ、一連の経緯はこれまでも関係者証言などで知られていたが、具体的資料で裏付けられた。靖国神社幹部は「靖国が勝手に合祀したのではないことが、はっきりするはず」と語った」と報じています。GUNGUN裁判で私たちが主張してきた「戦後、国と靖国神社によって行われた政教分離規定を無視した共同不法行為」を裏付ける資料として注目されます。報道を受け、韓国政府は、「日本政府がこれ以上真実を糊塗せず、正しい歴史認識のもと、責任ある措置を取ることを望む」と発表。また韓国国会議員(21世紀東北アジアフォーラムほか)は、29日「直ちに韓国人合祀を取り下げろ」と主張しました。
 2月26日には李熙子さんGUNGUN原告をはじめ11名の韓国人が、靖国神社相手に「霊璽簿からの氏名抹消」を求めた訴訟を起こしました。「ノー!ハプサ(合祀)」の闘いをGUNGUNともどもご支援ください。
 

GUNGUN&ノー!ハプサを両輪にして
              靖国神社合祀の取消へ!


ノー!ハプサはグングンと兄弟裁判

   
 
   

 2月26日、靖国神社等を被告として韓国人遺族らが合祀取消を求めて東京地裁に提訴しました。この裁判の原告11名のうち8名はグングン原告であり、国を被告としたグングン裁判、靖国神社らを被告としたノー!ハプサ裁判は、双方が助けあい、一体となって合祀取消へ向けて進みます。
 昨年5月25日、東京地裁はグングン裁判判決において「被告国が行った戦没者通知は一般的な行政の調査、回答の範囲内の行為というべきであり、戦没者合祀の実施は、靖国神社がその判断、決定によって行っていたと認められる。」と述べ、国と靖国神社が一体として合祀したとは認められないとして、請求を棄却しました。この間、原告は政府・靖国神社に再三にわたり合祀取消を求めてきました。しかし、政府・厚生省は「靖国神社がやっていること」、靖国神社は「政府からの通知に基づき合祀した」とし、その責任を双方で回避し、合祀取消を拒否してきました。国を被告としたグングン裁判、靖国神社を被告の中心としたノー!ハプサ裁判は、国と靖国神社双方を被告とすることにより、国・靖国神社一体となった合祀を断罪するものです。
 グングン以外の原告の一人は、生存者原告の金希種さん。妻とともに来日した金希種さんは、サイパンで米軍の捕虜となり、九死に一生を得て帰国。知らぬうちに靖国神社の合祀されていたといいます。遺族で新たに原告となったのは、羅敬壬さん。お父さんを東部ニューギニアで亡くされました。あと一人は、今回来日できなかったが中国で戦死させられた方の妻。「私が生きているうちに名前を削除させて欲しい。それを持って夫に会いに行くから」といいます。11名が一致団結して合祀取消まで闘う決意を固めています。
 グングン控訴審はまもなく始まります。ノー!ハプサ裁判と一体で靖国合祀の取消を勝ち取りましょう。

 

支援のお願い
GUNGUN会員は年会費2000円
郵便振込 口座番号 00270-3-133157 口座名 ノー!ハプサ
※ GUNGUN会員期間更新の際にノーハプサの入会も同時に受け付けます。
GUNGUNの振込用紙をお使いください。

 

ノー!ハプサ提訴同行記(古川)

中谷康子さんと

   
 
 

イ・ヒジャさんと中谷さん(右)

 2月25日、新大阪から新幹線に乗ると、呼びかけ人の中谷康子さん(山口県元自衛官護国神社合祀拒否訴訟原告)が満面の笑みを浮かべて手を振っている。新幹線の中では合祀拒否訴訟での苦労話を聞かせてもらう。日本キリスト教団で靖国国家護持法反対の学習をしたからこそ、合祀手続きのために自衛隊が家に来たときに「いやです」とはっきり言えたこと。息子さんが就職の時、警察職員の一次試験に通ったが、電話がかかってきて「あの中谷さんですか?」「そうです」という会話のあと、落とされたこと。そして、今回のような行動の際に「あとであのときに行けばよかった」と後悔するのはいやだから今回も参加したことなど話しがつきなかった。
 東京に着き、大口弁護士の事務所で韓国から来日した原告と合流、訴状の説明を受け、意見交換する。李熙子さんから「お金目的の提訴でないということを示すために慰謝料を1円にすればどうか?」と提案があり、訴状に取り入れた。
 

   
 
   

怒りの靖国神社への申し入れ

 26日午前中は、靖国神社への申し入れ行動。映画「あんにょん・サヨナラ」で描写されたとおり、通常遺族は少なくとも社務所の中に通してくれる。しかし今回は、「提訴するのであれば、法廷で争うのみ。外で話しを伺います」と遺族へ誠意のかけらもない。「遺族に無断で勝手に神様扱いしておいてこの対応は何だ」 。羅敬壬(ナ・ギョニム)さん、朴壬善(パクイムソン)さんの怒りは収まらない。生存しながら合祀されている金希種(キムヒジョン)さんは、「捕虜になって家族にすら戦時体験を話せなかった。その上に侵略国の神様になっている。この屈辱がわかるのか」と目が真っ赤になっている。
 

   
 
   

いよいよ提訴!

 東京地裁の前には日韓の数多くの報道陣がカメラを構えている。横断幕を広げる原告。中谷さんはマイクで「合祀拒否の思いはひとつ。ともに闘う」と連帯の挨拶。横断幕を広げて原告と支援者が「ノーハプサ」と叫びながら地裁へ入っていく。訴状提出後、司法記者クラブで記者会見。ここでも日韓の報道陣がビッシリだ。
以下、当日の会話や夕方の原告集会での原告の声を紹介したい。

   
 

朴壬善(パク・イムソン)さん

「父は1959年に合祀されている。死んだことを知らせずに勝手に合祀している。韓国人をバカにする行為だ。植民地時代に勝手に連れて行って、勝手に合祀している。そこに首相が参拝するのを見ると腹わたが煮えかえる。」


 

   
 
   

金希種(キム・ヒジョン)さん

「MBCというテレビ局に生存合祀のことを教えていただいた。今日靖国へ行くと「生きている人の魂はきていません」と言われた。鼻をへし折ってやりたい気持ちだった。神社とは私にとって何の意味もない火をつけてやりたいくらいだとインタビューに答えた。強制動員のおかげで十分な勉強もできなかった。私は83歳でまだ若い。闘う。」


 

   
 
   

羅敬壬(ナ・ギョニム)さん

「戦後50年の時にKBSの特別番組があって、母(今は89歳)と一緒に合祀確認のために靖国神社に行った。それまで合祀の意味は詳しくは知らなかった。プロデューサーが「合祀は削除しなくちゃだめですよ」と教えてくれた。そのときに「そう私の父は天皇のために戦ったわけではないものね」と思った。あれから12年。今回の対応に非常に憤りを覚える。父の戦死通知も遺骨も届かなかった。記録では1944年5月30日に死亡したことになっている。石ころ5個を東部ニューギニアから持ち帰ってもらい、そこに本籍地と名前を彫ってもらい、仮のお墓をつくった。2005年に納骨堂を作ることになり、先祖を含めて祀るために石を磨いて準備した。明日完成という前日に夢に父が出てきた。私は父の顔を知らないのに。父は「夫婦が一緒にいられて幸せだ」と言った。実は母もその日に父の夢を見たと後で聞いた。あと娘としてやるべきは合祀取り下げだけだと思う。この裁判は母も知っていて「家事は私に任せなさい」と言ってくれる。母が生きているうちに解決したい。」

 

   
 
   

李熙子(イ・ヒジャ)さん

「これは日本の問題であり、被害を受けたアジアの問題でもある。靖国神社への合祀は、遺族を二重、三重、六重にも苦しめている。アジアの平和のためにがんばりたい。キムヒジョンさんの場合、遺骨が戻ってきたことになっている。今日の私の赤いチョゴリは意味がある。赤は闘争を表す。最後まで闘う。 」

 

   
 
   

大口昭彦弁護士

 「明治憲法下での国体を戦後も延命する目的意識が貫かれていた。靖国側は「宗教はいろいろなんだからお互い干渉せずに、韓国は韓国のやり方でやればよろしいじゃないですか」と無神経に言う。今回山口から中谷さんが駆けつけてくれたが、中谷裁判の最高裁判決を悪用してそう言っている。こんな靖国のごまかしの論理を打ち破らなければならない。李熙子さんの場合、お父さんは「李原思蓮 命」と、創始名で合祀されている。屈辱の歴史、植民地支配がここに残されている。」

 

   
 
   

菱木政晴さん(靖国合祀イヤです訴訟事務局長)

 「本当に今日は怒りと共に嬉しい。今、韓国の原告の皆さんの声を直接聞いて、怒りの深さに改めて緊張する想い。小泉参拝違憲訴訟における画期的な違憲判決が出た年に愛知県憐豆郡にある殉国七士の墓、東條英機たちの墓を訪れた。その時に一行の台湾原住民の女性が私に「東條英機という人は世界中から悪者のように言われているが、家族にとっては大切な家族なのだと思う。私たちはそれを汚そうとは思わない。だから私たちも自分の家族を自分の遣り方で祭りたい。返してほしい」と言った。東條英機も東條由布子さんも、アジアの人々を沢山殺して立派なことをしたと心から信じているわけで、靖国神社はそれを褒め称える場所ですから、彼ら彼女らにとっては真に相応しい場所です。「A級戦犯の皆さんは、どうぞ、もう暫くあそこに残ってください」と言いたい。 」

 

   
 
   

辻子実さん(靖国参拝違憲訴訟の会・東京)

 「基本的に靖国神社は、外国人は祀っていないって言っている。日本人として祀っているんだ、だから日本名で祀っているんだと。創氏改名で日本名で祀るという意味でも日本人であるということで、二重三重の屈辱を与えている。韓国の方たちが原告として立たれたが、日本人としての戦争責任のあり方を私たちに問うている。正に日本人の問題。この問題を共に闘っていきたい。 」
 

米下院の決議案を契機に真の解決を!
                   「慰安婦」問題行動ネットワーク 坪川宏子 さん

 
 

ソウルでの抗議行動

 「慰安婦」問題は、今年1月31日、米国下院外交委員会への「慰安婦」決議案再提出と、皮肉にもこの間の愚かな安倍首相の対応によって、今、脚光を浴びています。

 マイク本田氏によって提出された決議案は、 (1)明確な形の責任認定と公式謝罪 (2) 総理大臣の公的謝罪 (3)否定主張に対して明確、公的な反駁(4)現在と未来の世代への教育と国際社会の勧告に従うこと、を求めています。

 2月15日には、外交委の小委員会で初公聴会が開かれ、李容洙さん、金君子さん、ジャン・オヘルノさんが証言し、本田議員は「河野談話」撤回の動きを懸念し、日系人強制収容に対する米政府と同様な姿勢を求めました。【 議会は民主党に変り、ペロシ下院議長も積極支持とのことで本会議採択も揺るがないとの報道です。 】

 さて、安倍首相は就任当時、「河野談話」踏襲を表明しましたが、本心でないことはご存じのとおり。「狭義の強制連行はない、決議があっても謝罪しない」など馬脚を表した発言でアジア諸国は勿論、米国、豪州、カナダ(同様な決議案を連邦下院に上程〉、など各国の強い批判を呼び起こしています。6人だった決議提案議員は42人に急増したとのこと。

 この間、またぞろ、大学のカフェテリアに例えて軍・政府の関与を否定し、国際法も知らない狭義の強制性を強調するなど、「河野談話」の見直しが策動され、危機感を感じた研究者たちも反論の声明書を出し、私たちも「判決パンフその1」(判決の中で事実認定された軍・政府関与や拉致等の強制性、膨大な政府調査資料に基づく「河野談話」や発表文を特集)を作成して妄動に組みせず事実に向き合うよう、全国会議員に配布しました。3月7日には韓国、豪州と同時水曜デモに取り組み、米議員やILOへの働きかけ、ご協力いただいた国際署名(1万名余)も近々安倍首相に伝達し、記者会見、集会開催なども予定しています。

 残念ながら、この外圧を契機に今度こそ、被害者に真の心の安寧をもたらす謝罪と補償を実現させたいと望んでいます。被害者は次々亡くなり、闘士だった黄錦周ハルモニは先日訪ねた時は一人遠い釜山の療養院で「悲しい、悲しい」とつぶやいていたのです。

イ・ヒジャさんと作るキムチづくり教室報告(木村)

 
 
 

 2月12日大阪で開催したキムチ作り教室は、2004年から始めて4回目を迎えました。毎年続けてきたので楽しみにして下さる方もいます。今年は例年参加者に加え“あんにょん・サヨナラ”の上映に取り組んでいただいた方、映画を観られた方等初参加者も多くいました。

 前日準備は今年も我が家で。玄関には、白菜30個、大根20数本、玉ねぎ1箱、人参の山と、ヒジャさんが韓国から買ってこられた唐辛子、魚醤、ニンニク、野菜等の入ったダンボール箱2つが積み上がりました。当日行けないからと、一緒にハングルを習っているメンバー3人( 「あんにょん・サヨナラ」も観てくれた)が昼過ぎから準備に駆けつけてくれました。ヒジャさんの到着が夕方になるので、スタッフ含めて5人で白菜の塩漬けから取り掛かりました。お家で漬けた経験者もいて、ああだこうだと言いながら、何とか漬け込みました。大根、人参、玉ねぎの千切りと、ミナリ(セリ)、パッ(ねぎ)等もきれいに洗って刻みました。「この大根おいしいね」と、生の大根を味見しながら、次々と千切りの山ができました。ヒジャさんが到着するころにはほぼ全て完了。カリスマ主婦3人の力はお見事でした。ヒジャさんに恐る恐る白菜の塩漬けの加減を聞くと 「70%のでき」と一応合格点をいただきホッとしました。白菜は夜にもう一度ひっくり返し、会場へ運びました。

 次の日は全部の材料を運んだ会場で、ヤンニョンを作り漬け込みキムチを仕上げます。料理教室会場はヒジャさんもお気に入りで、キムチの説明にも熱がはいりました。韓国でも北と南、地域ごとに各々入れる食材や味付けの違うことも初めて聞きました。一つ一つの食材がどんな役割をしているのか、香りを付けるもの、保存に大切な物など等。最後にヤンニョンを白菜の葉の間に入れる時には、愛情を込めて入れることが大切だと話されました。参加された方が 一つ一つ丁寧に作って下さっていて 一緒に幸せな時間が過ごせたなと思います。ヒジャさんは会場でトッポッキも作って、出来立てのおいしいキムチと一緒に味わいました。私はこの後2週間程風邪でぐずぐずしていて、職場の人から「キムチ疲れや」と言われましたが、忙しくても一度この皆でわいわいと作る楽しみを知ると、我が家の座敷に置いてある70リットルの塩漬け用ペール2個を見てニンマリしてしまいます。

 今年は生野の上映を担った方が、たくさんの靴を「どうぞ使って」と差し入れて下さったり、映画「あんにょん・サヨナラ」がより多くの方とヒジャさんを深くつないでいってると感じられるキムチ作りでした。

キムチづくり教室(2月12日)での感想から

 今日、キムチ作りから参加して、2回目を見たのですが、また、深く考えさせられました。この1年で、日本は、日本の政治はどう動いたか。小泉もひどかったけれど、安倍政権はイメージを具体化するかのように改憲を掲げています。靖国の存在そのものが認められないものなのに、と私たちの問題として考える必要性を強く感じます。「ノー!ハプサ」というのは、しごく当然の感覚で、靖国神社前で、「合祀」されている遺族本人に対し「朝鮮へ帰れ」というように言葉を投げつける右翼には、国によって翻弄されるのは一市民であることが理解できないのだろうか?と不思議に思います。国のカベを作っているのは人の心そのものです。充分に対話ができるように、映画が多くの人にもっともっと観られていくことを望みます。(大阪 女性)

 

「あんにょん・サヨナラ」特集


カナダ・バンクーバーで上映会を開催! 乗松聡子さんより

 
   

 3月24日、バンクーバー近郊のバーナビー市にある日系ヘリテージセンターで、映画「あんにょん サヨナラ」日韓両国語版の上映をしました。バンクーバー九条の会、ピースフィロソフィーセンター主催、JCCA人権委員会後援によるものです。大雨の中30人以上の参加者に来てもらい、韓国語テレビKCTVの取材もありました。
 この映画は何度観ても涙が流れます。私が一番感動するのは、イ・ヒジャさんの気持ちの移り変わりです。神戸の地震を「罰が当たった」と思うまでに日本への怒りや恨み(ハン)の気持ちが強かったのが、古川まさきさんら日本の市民運動家たちとの触れ合いを通して友情を育み、気持ちが和らいでくるのです。映画の最後の方で彼女の笑顔が何度も見られるのがこの映画の中で自分にとって一番嬉しく、意味のあるところです。彼女のお父さんへの想い、靖国への怒りといった気持ちを簡単に「理解できる」とはもちろん言えないし自分は想像するしかないわけですが、彼女の気持ちの移り変わりを自分自身が共に体験したような気持ちになります。映画を観た人たちに希望を与えるのも、このイ・ヒジャさんの笑顔ではないかと思います。靖国問題は今日明日に解決できることではないであろうけれど、市民レベルで東アジアの平和を創ることができる、それは国家間の関係を補完するものという意味よりも、それを凌ぐほどの力を持っていると思います。
 



韓国の映像の力をみせつけた
         「韓国ドキュメンタリー映画祭」(東京)
 
                 韓国ドキュメンタリー映画祭事務局長 丁智恵 さん
 

 
   

 「ほんとうにできるのだろうか・・!?」昨年の12月に、韓国の社会運動の一環として制作されているドキュメンタリー映画を日本で上映してみようという話が持ち上がり、私が最初に抱いた感想だ。日本では社会運動の現場においてメディアがあまり活用されていないが、隣の国、韓国においては、市民団体が映像やインターネットなどのメディアを最大限に活用し、社会に大きな影響を与えている。実際に当事者たちがカメラを持ち、自分たちの置かれている立場や訴えたい内容を、映像を通して社会に訴えたりもしており、それを支える仕組みも整備されつつある。今回は、「あんにょん・サヨナラ」のほか、米軍基地問題の「テチュリ村の戦争」、移住労働者をテーマにした「続く」、鉄道女性労働者問題の「塩(ソグム)」、障害者の移動権利についての「バスに乗ろう!」の上映を決定。年が明けて、韓国ドラマやドキュメンタリーに関心があるという人たちに翻訳をお願いし、映像制作について学びたいという学生たちに字幕作業について覚えてもらい、なんとか二つの作品に字幕をつけた。日本だけではなく、東京に住むタイ、アメリカ、韓国などさまざまな文化圏の人に参加してもらえ、会議を多言語の同時通訳つきで進行するという光景もあった。

 

鶴をプレゼント

 

 当日は、朝からひっきりなしに人が訪れ、朝9時半からの「あんにょん・サヨナラ」の上映のときに会場はすでにいっぱいになった。靖国に祀られた父親の話をするヒジャさんに真剣に耳を傾ける観客の人々に、彼女は平和への思いをこめた鶴をプレゼントした。「テチュリ村の戦争」においては「平和フォーラム」の市村さんに最近のピョンテクの米軍基地状況について報告をしていただき、移住・女性・障害者のそれぞれの作品についても監督にトークをしていただいた。延べ250人の観客の方々に来ていただき、その後の3つのテーマについてのワークショップには各2−30人の方に参加してもらった。参加者からは、「ガツンとやられた。現実の重さ、洗練された表現方法、志の高さ、三拍子そろっている」、「社会の問題に真正面から向き合って映像化していこうという姿勢に好感がもてた」、「インターネットやビデオを使うことで、運動を効果的に進めることができるし、商業主義から脱したメッセージが伝わるのではないかと思った」 、「日本の市民運動に欠けているメディア戦略を何とかしたいと思う」などの感想をいただいた。
 今回の映画祭に協力してくれた個人・団体の方々、そして参加してくれたスタッフの皆さんに心から感謝いたします。
 



韓国ドキュメンタリーフェスタ in Osaka を開催!

 
 

丁智恵さん

 5月に大阪でフェスタを開催します。特に韓国の市民メディアに学ぶ取り組みとして位置づけ、「あんにょん・サヨナラ」上映委員会スタッフの丁智恵さんに講演していただきます。ぜひご賛同ください。

日時:5月19日(土) 10時〜16時(9時半開場)
場所:クレオ大阪中央 4階セミナーホール
      (地下鉄谷町線「四天王寺前夕陽ヶ丘」駅徒歩3分)
入場料:1500円 (前売り1300円)
10:00 「あんにょん・サヨナラ」:靖国問題 
12:00 トーク 丁智恵(チョン・ジヘ)さん
        「韓国市民メディアに学ぶもの〜あんにょんサヨナラ制作から」
13:30 「テチュリ村の戦争」 :米軍基地問題
14:30 「ソグム(塩)」 :女性鉄道労働者問題

チケットを扱ってくださる賛同団体募集中!(当日アピールや物販OK)
 

金景錫さんを追悼する春川への旅

 
 

金景錫さんのお墓参りする大口弁護士

 昨年5月のGUNGUN裁判判決の翌日、原告団体である太平洋戦争韓国人犠牲者遺族会の会長・金景錫(キム・ギョンソク)さんが亡くなられました。GUNGUNは毎年秋に、金景錫さんが作られた強制連行被害者納骨堂の草刈りをやってきました。今年は草刈りに替えて、一周忌のツアーを組みます。ご参加ください。

日程
5月26日(土)東京・大阪⇒ソウル(ソウル泊)
  27日(日)ソウル⇒春川 草刈り (春川泊)
  28日(月)一周忌 追悼行事 ⇒ソウル(泊)
                      帰国の人は空港へ
  29日(火)春川 ⇒ソウル ⇒ 帰国

参加費 飛行機代+約2万円 (詳細はお問い合わせください)
(連絡先)090−1135−1488 古川まで
 

 読書案内

 『うたのおくりもの』
     
姜信子 著   朝日新聞社  1900円+税

 著者は、歴史に翻弄された人びとの歌をめぐる旅に出た。多くの「アリラン峠」を越えて、異郷で暮らす人びとの足取りをたどる。朝鮮半島から日本の植民地支配下のサハリンに流れ着き、今もそこに生きる人。筑豊の炭鉱の底深く生きてきた人。遠く中央アジアにたどり着いた人。ソロク島に押しやられたハンセン病の元患者。日本の民族学校でカヤグムの演奏に励む少女たち。……彼らの唄う日本の唄、朝鮮の唄、現地の唄。その唄にこめられた思いの数々。あるいはまた、三線を手に沖縄で唄うナミイの生き様も描く。台湾、サハリンの先住民族の誇りをこめた唄もある。本書は、さまざまな生と唄を訪ねた30の旅のエッセイ集である。(塚本)
 

皆さんに「あんにょん・サヨナラ」上映委員会からのお願い
   近くの図書館・ライブラリーに「あんにょん・サヨナラ」を!

 日韓共同ドキュメンタリー「あんにょん・サヨナラ」へのご支援・ご協力に感謝しています。全国およそ120ヶ所での上映会を経て、1月からはビデオ販売を開始しました。しかし現在、制作・上映でおよそ200万円の赤字を抱えています。そこで、ぜひお願いしたいことがあります。「あんにょん・サヨナラ」ライブラリー版(税込み10,000円)を広めていただけないでしょうか。身近にある図書館・ライブラリーに「あんにょん・サヨナラ」を入れて欲しいという希望を出してほしいのです。学生・教職員の皆さんは大学・学校の図書館に要望してください。利用者の希望を受け入れてくれる場合が少なくありません。そうすれば、無料で借りたり、館内で鑑賞できるようになります。ぜひ、図書館から下記に問い合わせしてもらってください。
問合せ先 TEL/FAX 03-3403-1902 ann-sayo@hotmail.co.jp
注文先  郵便口座 00110-0-778753

GUNGUNインフォメーション
4月7日(土)『出草之歌 台湾原住民の吶喊 背山一戦』上映 弁天町市民学習センター
  15時 第1回上映/17時〜お話:墨面さん/18時 第2回上映
  参加費:一般 1000円 主催:「靖国合祀イヤです訴訟団」と共に闘う会
4月22日(日)「あんにょん・サヨナラ」上映 名古屋YWCA2階 ビッグスペース
  @10:30〜 13:00織茂秀子さん講演会 A14:30〜 
  問い合わせ:上映実行委員会(名古屋YWCA内) TEL052−961−7707
5月19日(土) 韓国ドキュメンタリーフェスタ in Osaka
  クレオ大阪中央 4階セミナーホール
   10:00 「あんにょん・サヨナラ」12:00 トーク 丁智恵(チョン・ジヘ)さん
   13:30 「テチュリ村の戦争」 14:30 「ソグム(塩)」