2004年8月6日(東京)

韓国国会議員の合祀取消署名をもって
        靖国・政府・議員へ要請行動!

      ―GUNGUN提訴から4度目の8月― 李煕子さん


 戦後60年(日韓併合100年)を来年に控えた8月6日、「小泉首相の靖国参拝中止と朝鮮人合祀取消しを求める韓国国会議員署名」を携えて、韓国から李熙子(イ・ヒジャ)さんが来日し、ともに一日行動を行いました。
 韓国国会議員の署名は32名。開かれたウリ党21名、ハンナラ党9名、新千年民主党1名、民主労働党1名と超党派の署名。7月末からの短期間の取り組みであったため、今回の署名数は32名ですが、「9月までには299名の全国会議員から署名を集める」と李熙子さんは力強く語りました。

靖国神社に対する申入れ

 9時30分、合祀取消し申入れのため、靖国神社を訪問。今回は、靖国側が「もう会っても同じこと。文書があれば受けとる」と社務所の門前で応対。これまでの「(遺族の方々は)いつでもいらしてください」という対応から大きく変わり、門前で遺族とその申入れに応対するという、全く失礼な話です。支援する会の抗議で、最終的には応接室に通して応対せざるをえませんでした。
 李熙子さんより韓国国会議員の署名を手交し、その趣旨を説明。また門前で応対するという失礼な対応であれば、「署名は提出せずに持ち帰ろうと思っていた」と抗議しました。靖国神社の山口権宮司は「みなさんのような気持ちを持った方がいるのは理解している。しかし、合祀は変えられない」と繰り返しました。短時間の申入れでしたが、最後に李熙子さんは「私たち遺族は靖国に祀られることを望んでいない。理解してほしいというのであれば、理解できるように靖国神社も研究し、納得できるようにして下さい」と訴えました。
 

小泉首相の靖国神社参拝中止と靖国神社朝鮮人合祀取消しを
求める大韓民国国会議員署名(抜粋)     【⇒全文】

 合祀されている韓国人の遺族に生死すら知らせないまま一方的に靖国神社に合祀させたことは、強制動員されて日本帝国主義の侵略戦争で犠牲になった人々に対して丁重な謝罪や反省はおろか、日本の天皇の忠臣として讃えられることで、父母が2度犠牲を受ける結果となった。靖国神社は私たちにとって民族性が否定されるものであり、天皇の臣民として侵略戦争の道具にさせるために使った恥辱の象徴なのである。私たち大韓民国の国会議員は、東北アジアの平和と韓日両国問の信頼関係を阻害している小泉総理の靖国神社参拝をやめることを要求し、韓国人遺族たちの同意なく無断に靖国神社の祭神として合祀させたことを日本政府が公式謝罪し、靖国神社側が即刻合祀を取り消すことを求める。

民主党・日本共産党・社会民主党の国会議員へ協力要請

 11時、衆議院第二議員会館第4会議室で、民主党の国会議員に要請を行いました。靖国合祀問題で、国会議員に直接申入れするのは初めて。石毛えい子議員、岡崎トミ子議員、藤田幸久議員(党国際局長)、初当選した白眞勲議員に参加していただき、約1時間の申入れを行いました。1993年に日本から韓国に引渡された旧陸軍の資料により合祀されて いることがわかったこと、政教分離が規定されている新憲法が制定された後、1959年に厚生省からの通知により合祀が行われていること、などを説明し、合祀取消しへの協力を要請しました。
 午後1時30分、参議院議員会館にある日本共産党の吉川春子議員事務所で、吉川春子議員、緒方靖夫議員(党国際局長)に要請。吉川議員は、一昨年合祀問題で国会質問をしてくれています。合祀問題について「明らかに植民地支配の問題で、許すことの出来ない問題」(緒方議員)と賛同してくれました。
 その後、社会民主党事務所に福島党首を訪問。李熙子さんと福島議員は、10数年前にも会っているとのこと。合祀問題で可能な協力をしていただけることになりました。
 

 

民主党議員を前に訴える李熙子さん

 

社民党・福島みずほ党首に要請

内閣府に対する申入れ

 

内閣府に署名を提出

 

 最後に、内閣府に小泉首相宛の韓国国会議員の署名を提出し、申入れを行いました。韓国国会議員の署名は端緒についたばかりであり、これから全員の署名を集める予定であることを説明。内閣府担当に「話されたことを含めきちんと官邸に報告する」ことを確認しました。
 今回の行動は、短時間の準備であったが、大きな成果を得ることが出来ました。なによりも、韓国国会議員の「靖国合祀取消署名」を実現したこと、そして、これに対応できる日本の民主党、共産党、社民党国会議員への要請を実現したことです。2005年解決へ向け、大きく前進していきましょう!